◎ 相続廃除 と 相続欠格



相続人の資格を失わせる制度 「相続廃除」と「相続欠格」



相続人の廃除とは?



◆ 相続人の資格をはく奪することをいいます


相続廃除

には?
生前廃除 自分が生きている間に相続人資格のはく奪を家庭
 裁判所に請求(申し立て)するもの
遺言廃除 遺言によって相続人の廃除の意思表示をするもの

  • 共に、家裁に廃除の請求を必要としますが、生前廃除の場合は被相続人が、
    遺言廃除の場合は遺言執行者が、廃除の請求をすることになります
    (廃除は遺留分のある相続人に対しての制度)
    −重大な非行があれば、認定されます−

  • 遺言書で相続廃除をする場合には、公証役場で宣誓認証を得て具体的事実を
    書いた宣誓陳述書を付けておくとよい
    (遺言書には 「詳しくは別途作成した宣誓陳述書のとおり」 とする)



    相続人の廃除は、家庭裁判所の調停・審判 によって認められるものです

    (1) 被相続人が勝手に廃除の意思表示をしただけでは効力は生じません
    (2) 単なる感情のもつれや、一時的な暴力の事実が認められても、それだけでは足りません
    (3) 具体的・個別的に相続人との身分関係に応じ、家庭裁判所が双方の主張を公平に判断して決めることになります <家裁の決定>
    (4) 廃除されると相続人の資格がなくなり、最低限度の相続分である遺留分も失うので、家裁はそれだけ慎重になります <遺留分も失う>
       廃除された相続人に子があれば、その子が代襲相続人になります




    相続欠格とは?



    ◆ 該当する事実が確認できれば、相続人の資格がはく奪されます

    −被相続人の意思によって相続権を奪うものであり、
    廃除よりも非行などの度合いが強い場合と言える−




    相続人に次のような行為があった場合は、裁判手続きを経ずに相続人の資格を失います

    (1) 故意に被相続人又は自分より先順位、同順位の相続人を殺し、又は殺そうとしたために、刑に処せられた場合
    (2) 被相続人が殺されたことを知りながら告発・告訴しなかった場合
    (3) 詐欺や脅迫によって、被相続人が遺言をし、又は遺言を取り消し・変更しようとするのを妨げた場合
    (4) 詐欺や脅迫によって、被相続人に遺言をさせ、又は遺言を取り消させ、変更させた場合
    (5) 被相続人の遺言書を偽造 ・変造 ・破棄 ・隠匿した場合



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    上記 両者共に被相続人の配偶者や子など遺留分を有する相続人の資格を失わせるものですが、
    「相続欠格」は該当する事実だけで資格はく奪となりますが、「相続廃除」は家庭裁判所の決定が必要です。




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